ようやく朝晩涼しくなってきた秋晴れの土曜日、セカンドネイチャーファームの秋分祭を開催しました。今年は草木の成長が例年以上に速く、例年8月ごろから実をつけ始めるウル(ブレッドフルーツ)の実も春過ぎからぐんぐん大きくなり、一回目の収穫をしたばかりですがまだたくさんの実が食べごろを迎えていました。加えて人気のアップルバナナもアボカドもパパイヤもこの日に合わせたようにたわわに実り、当農園の秋の収穫を参加者全員で祝うことができました。



当農園が会員制をとりはじめて3回目になる秋分祭。新しいメンバーさんも増えたので久しぶりにウル解体法を披露しました。その場で揚げた熱々のウルチップス、ウルとひよこ豆のほくほくインド風カレーなど、簡単で美味しくできるウル料理を紹介。そのほか参加者が「他の人と分かち合いたい」とそれぞれ持ち寄った料理や飲み物がパビリオン内のテーブルを彩り、美味しく楽しい時間がまたたくまに過ぎていきました。


当園がこうした季節イベントを行う理由の一つに、ふだん高層ビル街で慌ただしく過ごしている人々に自然の季節の変わり目をゆっくり味わってもらいたい、というGaryとTakaeの願いがあります。Garyが案内する園内ミニトレッキングでも、鳥の鳴き声や小川のせせらぎに耳を澄ませる人、年初に植えた樹々の成長ぶりに目を見張る人、この季節限定でショッキングピンクに染まるトロピカルフラワー群に引き寄せられる人…と、各参加者がそれぞれの発見を楽しんでいました。


この日のもう一つの感動は、お互いが仕事に忙殺されてゆっくり話もできなくなってしまった昔の「ガイア仲間」が、当農園で顔をそろえたことでした。20年前、「地球はそれ自体が大きな生命体をなしており、人間はそこに生かされる一つの種に過ぎない」というイギリスの科学者J.E. ラブロック博士の『ガイア理論』をベースに描かれたドキュメンタリー映画「ガイアシンフォニー/地球交響曲」(監督・龍村仁)のハワイ初上映会を実行した仲間たち。ハワイのごみ問題から始まり地球環境の変動について勉強すればするほど、人間自身が変わらなければ今のままでは大変なことになる、と強い危機感を覚えた上映会メンバーたちは、以来、「まず自分が変わることが重要」とそれぞれの持ち場でさまざまな挑戦を続けてきました。

ホクレア号初の日本人クルーとして太平洋航海を重ねながら海の環境保全に取り組んできた人、日本人観光客がハワイの自然を大切にする仕組みを構築するために数えきれないほど日本じゅうとハワイじゅうを奔走した人、あるいは数々のクライアント企業に環境保護を忍耐強く説き続けてきた人、20年という年月を猛烈に忙しく走り抜けてきた人たちが、同じ魂に呼び寄せられたかのように、それぞれの仕事が一段落して一息ついたこの日、セカンドネイチャーファームで再会。大自然のパワーを吸収しながら「また何か一緒にやろう」と熱く語り合っていました。
その光景をまぶしく眺めながら、地球を生命体として敬う魂どうしの融合がこの農園を特別なものにし後の世代に永続的に伝えてくれる……、GaryとTakaeはあらためてそう確信したのでした。