今年もまた、福岡県の人材育成プロジェクト「福岡から世界へ」のハワイ研修コースに選抜された高校生14名が、オアフ島での研修の一環として当農園を訪れました。彼らは日本を発つ前にハワイの産業の現状と課題について学んでおり、それぞれに探究テーマを絞っていました。送られてきたそのサマリーを読んだGaryと私は、彼らの問題意識の高さに感心することしきり。現場ではどんな質問をされるのだろう…と楽しみにこの日を迎えました。
グループ研修でのはじめての試みとして、今回は当農園をぐるりと囲む森の川沿いの茂みを刈り分けた小径を一周するミニ森林浴トレッキングを行いました。野草の匂いや鳥のさえずり、珍しい花や森のオゾンを五感で楽しみながら、この農園プロジェクトの概要を理解してもらいます。自然農法による有機土づくりのレクチャーの後は、刈り取った雑草を鶏に与えたり、アボカドを収穫したり、平和の花ピース・リリーの苗を植えたりと、グループに分かれた基本作業で、予定した時間はあっというまに過ぎました。
そしていよいよランチ・ミーティング。ちょうど食べごろのウル(ブレッド・フルーツ)を材料にしたカレーやウル&パンプキンパイなどを皆で食べた後、GaryとTakaeが当農園の事業目的と理念、歴史などを改めて説明します。続く質疑応答では、「観光業と自然保護の両立」に関心を寄せている生徒から出された「ハワイのプラスチックバッグ・ゴミ問題」の質問を契機に、個人と企業の責任など熱い意見も交わされました。
大都市のビルディングの中でゴミ問題を議論するとどうしても技術論に集中しがちですが、大自然の中では、その一部として生かされている人間は何をすることが正しいのか、を素直な気持ちで話し合うことができます。自分たちの未来を真剣に考える高校生たちが直球で投げかけてくる質問を受けながら、そんなことを実感した一日でした。