ウルが最盛期を迎えました

Ulu trees at their peak 111724

気がつくともうすぐ感謝祭。年の暮れも迫ってきています。地球上のほかの地域の例にもれず、ハワイでも大雨が降ったり乾燥日が続いたり、気候が極端に変動する1年でしたが、当農園のウルの樹たちは今年も元氣にたくさんの実をつけてくれました。

ウルは英語でブレッド・フルーツ(パンの実)と呼ばれる、高い樹になる実で、ハワイを始めとするポリネシアの島々、南アジア、カリブ海など赤道に近い地域で栄養価の高い穀物として古くから食されて来ました。

中身はお芋に似ていますが食物繊維、炭水化物、たんぱく質が米や芋より多く摂取でき、重要なエネルギー源にもなる一方、果物や野菜のようにビタミンA&B、マグネシウム、カリウム、カルシウム、鉄分などが豊富に含まれ、さらにはルテインやベータカロチンなど生活習慣病を予防する栄養素も多く摂れるので、「トロピカル・スーパーフード」と呼ぶ人もいます。(参照:ハワイ・ウル協同組合提供Nutritional Benefits of ‘Ulu

ウルの樹は肥料を与えなくても亜熱帯の温暖な気候ですくすく育ってくれます。自然の力で何十年にもわたり実を収穫できるので、いわば「古代から伝わるサステナブル農業」の代表選手として、ハワイではここ数年がぜん注目を浴びるようになってきました。

毎年夏から秋にかけてたくさんの実をつけますが、その熟れ具合によって用途はさまざま。表面が青いうちは中身がまだ固いので薄くスライスしてチップスやサラダ、ピクルスにしてコリコリした歯ざわりを楽しめます。

少し熟れて黄緑色になった表面を白い樹液(sap)が流れ落ち始めるころからがウルの真骨頂。ポテトのように茹でたり焼いたり煮たり揚げたりと、さまざまな料理で活躍します。茶色がかった完熟ウルになる頃には、実がクリーミーでとても甘くなるので、我が家ではそのままフードプロセッサにかけてノン・シュガー・パンケーキを焼きます。先日の秋分祭イベントで、当農園スタッフのマットが完熟ウルとココナッツミルクで作ったアイスクリームは、健康志向の女子たちの間で大人気でした。

さて、今年の感謝祭は、ウィリアムズ・バナナもちょうど食べごろに実ってきたので、ウル・クリームとミックスした「セカンドネイチャー・パイ」でも焼いてみようかな。

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この記事を書いた人

日本の新聞社系週刊誌記者、第二電電(現KDDI)広報責任者を経て米国留学。「持続可能な発展」などの政策比較研究を行い2000年カリフォルニア大サンディエゴ校で太平洋国際関係研究修士号取得。ハワイで有機園芸業を行っていたGary E. Johnsonとの結婚を機に2005年ハワイへ移住。翻訳出版とヨガインストラクターを続けながらGaryと共同で、「健康な食の生産、体と心の浄化、自然生態系の保全」を目的(3Pモットー)にした「森林農業+ヨガ・瞑想」プロジェクトをオアフ島ワイマナロで推進している。

After working as a reporter for a weekly newspaper and as a public relations manager at Daini-Denden (now KDDI), she moved to the U.S. to study comparative policies, such as on “sustainable development.” In 2000, she received her M.A. in Pacific International Relations from the University of California, San Diego, and in 2005, she married Gary E. Johnson, an organic gardener in Hawaii. While continuing to work as a translator, publisher, and yoga instructor, she has been working together with Gary on the Agroforestry + Yoga/Meditation project in Waimanalo, Oahu, which aims to “produce healthy food, purify the body and mind, and preserve the natural ecosystem (3P motto).”

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